string型 (文字列型)
文字列リテラル
Javaなどの言語では、ダブルクォートで文字列リテラル(String型)を表現し、シングルクォートで文字リテラル(char型)を表現するといったように、使うクォートで型が変わります。
一方JavaScriptでは、ダブルクォートでもシングルクォートでもまったく同じstring型になります。この点はPHPと同様です。またバッククォート(`)を使ってもstring型になります。
ts"Hello";'Hello';`Hello`;
ts"Hello";'Hello';`Hello`;
文字列中に同じ引用符が含まれている場合は、バックスラッシュ\でエスケープしなければなりません。
ts'He said "madam, I\'m Adam."'"He said \"madam, I'm Adam.\""
ts'He said "madam, I\'m Adam."'"He said \"madam, I'm Adam.\""
ダブルクォートとシングルクォートを使った文字列リテラルは、文字列の途中で改行できません。改行を入れたい場合は、\nなどの改行シーケンスを入れる必要があります。
テンプレートリテラル
JavaScriptで、バッククォート`で囲んだ文字列はテンプレートリテラル(template literal)と言います。テンプレートリテラルは、改行と式の挿入(expression interpolation)ができます。
改行の挿入はテンプレートリテラルの中で実際に改行をすれば、そのとおりに反映されます。
tsconsole .log (`実際に改行をしてみる`);
tsconsole .log (`実際に改行をしてみる`);
式の挿入は${式}のように書きます。
tsconstcount = 10;console .log (`現在、${count }名が見ています。`);
tsconstcount = 10;console .log (`現在、${count }名が見ています。`);
式の部分は変数だけでなく、計算式や関数を使った式も書けます。
ts`税込み${Math .floor (100 * 1.1)}円`
ts`税込み${Math .floor (100 * 1.1)}円`
文字列リテラルは'、"、`のどれを使うべきか?
前述のとおりJavaScriptでは文字列を表すときに3種類のクォートがありますが、どれを使えばいいのでしょうか。ここではJavaScriptのコードフォーマッターであるPrettierに倣い使い分けを紹介します。
なおこれは正解でもなければデファクトスタンダードというわけでもないので開発チームの基準があるならばそちらに従うことが望ましいです。
- 基本的に
"を使用する - 文字列の中に
"が含まれる場合は'を使用する - 文字列展開する必要があるときは
`を使用する
基本的に"を使用する
ただの文字列で内部で変数展開をしていないのであれば"を使用します。
文字列の中に"が含まれる場合は'を使用する
文字列の中に"が含まれる場合はエスケープするのではなく'を使用します。
文字列展開する必要があるときは`を使用する
式を計算する必要があるときはテンプレートリテラル`を使用します。
文字列の型注釈
TypeScriptのstring型の型注釈はstringを用います。
tsconstmessage : string = "Hello";
tsconstmessage : string = "Hello";
名前がよく似た型にString型がありますが、stringとは異なるので注意してください。
文字列結合
JavaScriptの文字列結合は文字列結合演算子(+)を用います。number型の加算でも同じ演算子が使われます。
ts"hello" + "world"
ts"hello" + "world"
PHPでは文字列結合演算子(.)と、数値の加算演算子(+)の2つに分かれていますが、JavaScriptでは文字列結合と加算は同じプラス記号で表現するので、PHPからJavaScriptに来た人は注意してください。